【東大合格者直伝】2023年 京都大学 化学の徹底解説


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問題

第1問




第2問





第3問



第4問


解答解説


第1問

(問1)

ファンデルワールス

本問は黒鉛とダイヤモンドの結合様式や性質の違いを理解していれば、即答できます。



(黒鉛 ダイヤモンド 化学 – Bing imagesより引用)


(問2) やや易

よくある密度問題。本問では六角柱1個あたりにC原子が6個含まれると把握できたかがkey🔑

密度を求める際には、(密度)×(体積)=(炭素6個の質量)を立式すると求めやすいと思います。

(問3) 標準

今度は3層構造なので、(問2)とは第1,3層のC原子の個数の数え方が異なります

そこに着目できれば、正六角形2個分の面積にC原子が6個存在するとして、C 1gあたりの表面積を求めることができます。

(問4)

本問は鉄の精錬塔に関する問題で、まともに化学を勉強した京大受験生ならば絶対に見覚えがあります。

中間物質のFe₃O₄(磁鉄鉱)CO→CO₂の変化を把握できていれば、ただの係数比較問題です。



(鉄の精錬 化学 – Bing imagesより引用)


(問5) 標準

CO₂のモル分率を1-x-y、全圧をP=1.0×10⁵(Pa)として、反応式(3)(4)について圧平衡定数の式を立てます。

あとは、右向きに反応が進む条件を考えます。例えば、式(3)ではP CO>PCO₂のときにCOが減少してCO₂が増加する現象が起きます。

したがって、反応が右向きに進行する条件は解答のようになります。

(問6) 標準〜やや難

(5)(6)をともに満たすyが存在するようなxの条件を考えるとx<0.42。
x=0.42のとき(カ)(ク)の値はともにy=0.16となるので、求める値は0.16です。

第2問

(問1)

蒸気圧降下

簡単な用語問題ですが、蒸気圧が降下する理由をきちんと押さえておきましょう。以下の図でイメージするとわかりやすいでしょう👇

溶媒の一部は蒸発したくても、溶質に邪魔されて蒸発できません。




(問2) 標準

問題文第1段落の最後3行に注目すると、混合溶液の蒸気圧はPA xcだけ下がるので、Aの蒸気圧はPA(1−xc)で表されます。

また、図1のグラフより全圧Pを求めPからPA(1-xc)を引くことでCの蒸気圧が求められます。

ラウールの法則」は河合塾の京大本番プレテストでバリバリ出題されていたので、プレテスト受験者は楽勝でわかったことでしょう。

(問3) 標準

本問は気体Cの分圧を2通りで表すことで解決します。

2通りの表し方をすると、(Cの分圧)=P₁・yc₁= Pc・xc₁より、yc₁について解くと解答のようになります。

気体Aについても同様の式変形をすると、xc1がyc1で表せます。それを(1)に代入しyc1について解くと(2)になります。

(問4) やや難

Cが全て気体になったので、式(2)でP₁→P₂、yc₁→xc₀とすればよいのですが、それに自力で気づいて解かないといけない点でやや難しいです。

(問5)

(ケ)については、(気体中のCの質量)+(液体中のCの質量)=(Cの初期量)と考え、各値を代入することで式(4)を導きます。

(コ)は今年の化学最難問。

(ケ)でnL/nG=1としてxc₃,yc₃,xc₀の関係式を導いたうえで、今までに導いた式を利用して最終的にP₃の2次方程式を出す必要がありました。


第3問

(問1)

安息香酸

芳香族化合物をKMnO₄で酸化すると、置換基の炭化水素基が酸化されてCOOHに変化します。

(問2) 標準

ピリジン環がC原子5個,N原子1個を含むことに着目し、置換基が1個のときと2個のときに分けて構造異性体を数え上げます。


(問3) 標準〜やや難

本問は易しいですが、情報の見落としに注意が必要な問題です。

芳香族化合物はオルト置換体、ピリジン化合物は3,5位置換体です。3位と5位については、図1を確認しましょう。

(あ)〜(か)の情報整理については以下参照。



(問4) 標準〜やや難

(き)〜(け)の情報整理については以下参照。









第4問

(問1) やや易

炭素数3のアミノ酸を全て書く問題です。構造異性体を記すので、図2のアミノ酸を書かないように注意しましょう。

(問2) 標準

X₁はpH=7.0で負に帯電することから、酸性アミノ酸(COOHが2個以上)とわかります。

さらにエタノールとエステル反応を起こして炭素数5の物質になることから、X₁の炭素数は3以下になります。

しかし、COOHを2個もつα-アミノ酸は1種類しかないため、X₁の構造は上記で確定します。

また、ジペプチドAの炭素数が7より、X₂の炭素数は7−3=4。X₂はα-アミノ酸なのでこれも構造は上記で確定します。

(問3) 標準

X₁とX₂の正解が前提ですが、本問のキーはX₁のNH₂とCOOHのどちらがアミド結合に関与するかですね💡

これは実験して調査した方が早いです。もしCOOHがアミド結合した場合、不斉炭素原子は2個生じてしまい、問題文の条件(不斉炭素原子1個)と矛盾します。

よって、X₁はNH₂がアミド結合に関与すると判断できます🚩

(問4) やや易

本問に高分子の知識は必要ありません。ただの滴定実験なので、情報を整理して解答のように立式すれば終いです。

(問5) 標準

(問4)の結果よりY₂にはアミノ基が2個含まれますが、COOHをHにすると不斉炭素原子が消えることから、側鎖の形は-CH₂-CH₂-NH₂となります。

また、Y₁をエタノールと縮合させた物質の炭素数が4よりY₁の炭素数は3となり、α-アミノ酸でないことから、Y₁の構造式は解答のようになります。


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